グローブ再生の可能性 自分でできる型直しの方法

はじめに

皆さんは今使っているまたは過去に使っていたグローブが
「なんだかしっくりこないな」
「もう少しこう使えると良いのにな」

と思うことはありませんか?

今は専門店に依頼することで型付けや型直し、レース・ウェブの交換をはじめとして、革のクリーニング、アタッチメントグリス(以下、グリス)の補充、ひいては傷んだ革の交換まで対応していただけるお店もあります。ですが、「自分のグローブだからできる限り自分でなんとかしたいな」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ということで今回は自身でも比較的簡単に行える型直し方法の一例をご紹介できればと思います。

今回型直しするグローブはこちら

NIKE製 硬式用オーダーグローブ 内野手用

学生時代にオーダーするもポジションのコンバートや型付けがうまくいかなかったことによりほとんど使用できませんでした。

親指と中指が向かい合う形でウェブ下でしか捕球できないイメージです。

今回はこのグローブを

  • グリスの交換
  • あご紐を逆巻き→順巻きに変更
  • 小指2本入れで使用

することでウェブ下でしか捕球できなかったこのグローブをウェブ下、捕球面の中心(実際の親指と人差し指の間)、土手(実際の手のひら)で捕球できるようにしたいと思います。

使用物品

今回使用する物品は

 

  • グリス
  • 紐通し(レーシングキット)

を主に使用します。

その他に

  • 割りばし(ヘラの代用品)      グリスを入れる際に使います
  • ドライヤー             グリスの温めに使います
  • グラブパンチャー          捕球面を馴染ませる際に使います
  • ステインリムーバー         汚れ落としに使います
  • デリケートクリーム         汚れ落とし後の保湿に使います

を使用しました。

グリスの交換

さっそく、グリスの交換を行いたいと思います。

グリスとはグローブの捕球面と平裏を接着させる働きを持っています。

まずは土手上(赤い丸)、あごのレース(青い丸:わかりにくくて申し訳ありません)を抜き取ります。

土手上のレースは最後まで抜かなくてもなんとかなります。が、最後まで抜いた方がグリスは入れやすいと思います。

せっかくなのでレースを抜いたところで、レース穴周辺の手入れを行いました。

次にグリスを入れます

グリスがほとんどなくなっています。

ここにドライヤーで温めたグリスを割りばしに取って中に入れます。

グリスの量が少ないと接着が不十分になります。多すぎるとグローブが重くなる、捕球面が硬くなりすぎる可能性があります。またレース穴周辺に入れてしまうと後々レース穴からグリスが出てきてしまうため、レース穴周辺には入れないように注意しましょう。

こちらはグリスを入れた後の画像です。

※グリスの適量については私自身も模索中です。

グリスを入れたら捕球面と平裏を合わせ、グラブパンチャー等を用いてグリスが一部に固まらないようにグローブとグリスを馴染ませます。

この際、グリスを延ばす方向として、土手から指先方向に向かわせる方法と指先から土手へ向かわせる方法があるそうで、私は前者のイメージで行っています。

これでグリス交換の終了です。

あご紐を逆巻き→順巻きに変更

グリスが馴染んだら土手上とあごのレースを通し直します。

まずは土手上のレースを抜いた時と逆の順序で通し直します。この際にグリス交換後に整えた捕球面を崩さないように注意します(そのためにもグリス交換後はしばらく時間をおいてからレースを通すと良いと思います)。

土手上のレースが通ったら、続いては今回の型直しの肝となるあごのレース通しです。

今回は小指2本入れ仕様にするため、捕球面の折り目を調整したいと思っています。

そのために小指側のヒンジの角度が重要になると考え、あご紐を逆巻き→順巻きに変更することを選択しました。

レースを通した後の写真です。

小指側のヒンジからウェブ・人差し指方向に向かう捕球面の折り目(赤の線)

親指の付け根の折り目(緑の線)

小指側のヒンジから薬指方向に向かう折り目(青の線)

をつけたこと、小指2本入れでしようすることによって親指と薬指〜小指が向き合うように掴めるようになりました。

 

最後に

今回の型直しは自宅で比較的簡単に行える方法をご紹介しました。

小指2本入れを選択しなくてもグリスの補充や関節のつけ直しによって、グローブの印象や使用感を変えることは可能だと思います。

その他にも指先のレース間隔や手首バンド部の締め方を調整するといった方法もあります。

皆さんの愛用しているグローブに変化を持たせたい際には、これらの方法を検討してみてはいかがでしょうか?

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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