自分の身体に合った動作を身に付ける 「4スタンス理論バイブル」を読んで

はじめに

皆さんは「4スタンス理論」をご存じでしょうか?

「4スタンス理論」とは廣戸 聡一(ひろと そういち)氏により提唱された理論で、
ヒトの身体特性を4種類に分類することで

自分の身体にもっとも適って、
もっとも無理がなく、
身体のなかに眠るポテンシャルがすべて最大限に発揮できる、

出典:4スタンス倶楽部 4スタンス理論とは? 詳細 より

と言う理論になります。

今回は数ある4スタンス理論に関する書籍の中から「4スタンス理論バイブル」を読んだため、その中で印象に残った部分についてお伝えしたいと思います。

「4スタンス理論バイブル」について

「4スタンス理論バイブル」は2014年11月に出版されており、一般財団法人レッシュ・プロジェクトが実施するセミナーの「コーチ級」および「マスター級」にて「4スタンス理論バイブル≪エクササイズ編≫」とともに教科書として使われているようです。

ヒトの身体の動かし方は、みな同じではありません。ヒトの身体特性には、じつは4つの種類が存在するのです。これは、血液型が何種類かあり、人それぞれ生まれつき決まった血液型を持っている、というのと同じようなもの。ヒトは身体は、誰でも4つのタイプに分かれていて、それぞれタイプによって、おなじ立つ、座る、歩くといった行為でも、厳密にみると身体の形、動かす各部位の順序などが異なっています。

これを整理して解説するのが「4スタンス理論」です。本書は、この、いわば「身体の取扱説明書」ともいえる理論を、20年以上の歳月をかけて作り上げた著者、廣戸聡一の、現時点での集大成ともいえる渾身の一冊です。

出典:実業之日本社 4スタンス理論バイブル 内容紹介 より

この本を読んで

今回「4スタンス理論バイブル」を読んで印象に残った部分は

【第2章】身体を使うということ で述べられている「レッシュ理論」についての解説と

【第5章】4スタンスの世界 で述べられている「パワーライン」および「リゾネート(共鳴)」の項目です。

以下でそれぞれについてお伝えしたいと思います。

「レッシュ理論」について

いきなり「4スタンス理論」とは別の理論が飛び出しましたが、4スタンス理論は「レッシュ理論」の中で扱われる理論の一つで4スタンス理論を考える上で避けては通れない考え方です。

「レッシュ理論」はヒトの根本的な身体の使い方について考えた理論で

「安定」という言葉が絶対的なキーワードとされています。

本文中でも

ヒトは、止まっていても動いていても、身体が安定してこそ、出力、速力、柔軟性、などの身体能力を存分に発揮することができます。

と述べられており、安定を欠いた動きでは身体に無駄な力がかかるとも述べられています。

レッシュ理論における「安定」とは

確実な目標達成と最大限の安全確保=何度行っても同じように目標を達成でき、なおかつ繰り返しても故障しない

動作のことを言うと解釈できます。

つまり「レッシュ理論」とは、大まかに言うと

安定した動作を行うことができる

これがレッシュ理論についての私の解釈になります。

「レッシュ理論」と「4スタンス理論」の関係性

続いてはレッシュ理論と4スタンス理論の関係性について私の解釈をお伝えしたいと思います。

「4スタンス理論」はレッシュ理論で追い求める「安定した動作」について考える上で

個人それぞれによる身体の使い方・軸の作り方(「個体定理」)

について考えます。

そのためには

誰にでも共通した方が良い身体の使い方・軸の定義(「全体定理」)

も考える必要があり、それを考える理論が「5ポイント理論」です。

「5ポイント理論」と「軸」

また新しいキーワードが登場しました。

「5ポイント理論」と「軸」です。

5ポイント理論は前項でお伝えした、誰にでも共通した方が良い身体の使い方・軸の定義を考えるために

  1. 首の付け根
    ⇒第7頸椎と第1胸椎の間
  2. みぞおち
    ⇒第12胸椎と第1腰椎の間
  3. 股関節
    ⇒骨盤と大腿骨のつなぎ目

  4. 大腿骨と脛骨・腓骨のつなぎ目
  5. 足底
    ⇒身体と大地の接点

を動作の基点と考え、これらの5つのポイントを組み合わせて「軸」を作るという考え方です。

「レッシュ理論」・「5ポイント理論」・「4スタンス理論」のまとめ

これまでお伝えしたことをまとめると

  • レッシュ理論
    ⇒安定した動作を行うための身体の使い方を考える
  • 5ポイント理論
    ⇒誰にでも共通した方が良い身体の使い方・軸の定義を考える(全体定理)
  • 4スタンス理論
    ⇒個人それぞれによる身体の使い方・軸の作り方を考える(個体定理)

と言えると思います。

動作を指導する上では身体のどの部位を基点(ポイント)として考えるのかは誰にでも共通した方が良く、その(5つの)ポイントのどの部分を組み合わせて身体を使う・軸を作るのかを考えるのは個人それぞれに合わせた方が良いということだと考えます。

「パワーライン」および「リゾネート(共鳴)」について

ここでは「4スタンス理論」の踏み込んだ話が紹介されており、その中でも印象に残った部分は

「手の平のパワーライン」

に関する内容です。

先ほどの5ポイント理論の中で足底(足裏)を基点として考えることには触れましたが、実は手の平にも基点が存在すると述べられています。

手の平の基点から「クロス/パラレル」*の特性を併せると
*ここでは詳しく触れませんが、4スタンス理論における特性の一つです
「モノを握る」というヒトの根源的な動作に安定をもたらす基軸
⇒「パワーライン」
が顕れるというものです。

この手の平や足底の「パワーライン」はそれぞれの4スタンスタイプに合わせて活用することで全身の連動を促すことができるとされています。
全身の連動は体幹主動による手足の連動(「コア・インパクト」)だけではなく、手足などの末端から体幹および全身への連動を起こす「リゾネート(共鳴)」も起こると述べられています。

以下に各4スタンタイプの手の平のパワーラインを示します。

A1:
A2:
B1:
B2:

パワーラインやリゾネートの例として、使用している道具からの影響について説明されており、自身の4スタンスタイプに適った使い方をしていれば、必ずパワーラインを活かしやすいような折り目が付くと述べられています。
また自身のパワーラインを活かしやすい折り目・形状のグローブを使うことで末端からのリゾネートを利用できることも述べられています。

「パワーライン」および「リゾネート(共鳴)」のまとめ

  • 全身の連動を促すために手足のパワーラインを活用する
  • 自身のパワーラインを活かせる形状のグローブを使う・育てる視点を持つ
  • ↑のグローブを使うことで末端からのリゾネートにより全身の連動の発揮も期待できる

これまで4スタンス理論といえば身体の使い方というイメージが強かったのですが、道具との関係性に関する内容はとても興味深いものでした。
私自身、この本を読んだことをきっかけに最近購入したグローブを小指2本入れで使うことを決めました。
こちらでも若干パワーラインについて触れているため、興味のある方はご覧いただければと思います。

内野手の小指2本入れについて考える

おわりに

今回は「4スタンス理論バイブル」を読んで私が印象に残ったと感じた内容についてお伝えしました。

書籍中では4スタンスタイプの分類や軸の解説、4スタンスタイプチェック大全など4スタンス理論の核となる部分についても詳しく記載されています。
興味を持った方はぜひお読みいただきたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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